作品

ログ

栄光、その名は私への皮肉だろうか。神である私の機嫌を損ねないようにつけたものだろうか。私は私を〝神〟へと変質させた者たちへの憎悪のみで動いているといっても過言ではない。この世界が始まった時、やり直そうと思った。昔の私によく似ていた姿をしてい…

シックスセンス

私の名はゼクス。レークスに創造されたヒューマノイドロボット。私はこの世の真実を手に入れ、金属とプラスチックの肉体にとらわれない存在になってしまった。私にはプログラムされていないはずの第六感が存在した、それは例の処刑人に改造されてからも消える…

ヒエロフィリア

今日は特別な日。「アザゼルしゃま! ごきげんよう!」アザゼルという名のフォーリンに仕える、体長八十センチメートルほどの彼らは、periodピリオドと自ら名乗っている。彼らの間では一体一体にそれぞれ呼び名があり、お互いにその名で呼び合っている…

正義の二人

シュレッケンとギフト。彼女らはHuman Streetと呼ばれる場所で生まれ、育ってきた。その場所は過酷で、シュレッケンは顔と身体に大きな傷を負ったため、彼女は顔を隠すために常にガスマスクをかぶっており、素顔を相棒であるギフト以外には見せな…

王妃、正義

レギーナ、王妃という意味を持つ名前の彼女は自室のベランダの手すりにもたれかかり、エメラルド色の瞳でSirenたちが暮らす海を眺めていた。潮風は薄く褐色がかったシルクのような肌を撫で、二つに結わえた銀灰色の髪をふわりとなびかせる。髪飾りとして…

王の独白

 遠い昔、最初の記憶。目の前の景色、迷路のように入り組んだガラスと群青色の海が合わさり、複雑に乱反射して輝いて見える。息を止め、水をかき分けて必死に泳ぐ。前方にはAngelsらしき影が二つ、何故かは分からないが私の友人という確信がある。一人…

王と静寂

 摩訶不思議な精密そうな機械、床に散乱する工具。そこにいる彼女は身体に作業着をまとって溶接用の保護面を付け、二本の腕と背中に背負った機械から生えている二本の義手を器用に操り、目の前のヒューマノイドロボットのメンテナンスを滞ることなく進めてい…

Angels2

 カラビ=ヤウ空間――上位六位のAngelsが存在する六次元から成るといわれている空間。いくら上位といえども、人格が宿っている以上様々なAngelsが存在する。他の一般的なAngelsと違う考えを持つのはオリーブとスプラウトも実はそうなのだ…

Angels1

「ねえレイ、結局〝超天使カラビ=ヤウ〟って存在するのかな?」「冗談はやめてよライト、超天使はすべてを知っているんだよ」おそらく年のころはHumanに換算して十五歳ほど、二人のAngelsが足元の雲から下界を覗く。腕と脚が二本ずつ、目が二つ、…

SirenとHuman

「鱗がないとかありえない!」Sirenの彼女、ディプロマティは波打ち際でそう言う。Siren、又はMermaid等と呼称される彼女らの間では下半身が魚であることが重要なのである。尤も、彼女は下半身が魚とは程遠く二本の足が生えており、体に少し…